三溪園に対しては遠くてアクセスが不便なイメージを持っていましたが、実際に足を運んでみると意外に近いことを実感しました。横浜市でも中心部の中区に立地しているので当然のことですが、しかし一歩園内に入ってみるとそこは横浜とは思えない印象です。入口をくぐると、いきなり広がる開放的な景観に圧倒されます。大きな池を前に後方の山上には三重塔が立つ、三溪園の代表的な風景が出迎えてくれました。さらに奥のもう一つの庭園の内苑でも臨春閣という紀州徳川家ゆかりの建物を中心とした広がりのある風景が視界に飛び込んでくる演出がされています。本当に京都を旅しているような、そんな錯覚を感じさせてくれるのです。 さて、クチコミのお奨めの場所のひとつ、三溪記念館はこの内苑に程近い場所に立地しています。館内のロビーに併設されている茶席は、一面にガラスがはめ込まれ外の庭園の景色を眺めながら、和服姿の女性スタッフが本格的なお点前でもてなしてくれます。テーブルとイスを使った立礼というスタイルで気軽に楽しめ、しかもオリジナルの落雁が2個付いて\400と価格設定も良心的です。 もう一つのお奨め場所、合掌造りは外苑の庭園の最奥部、内苑とはうってかわって山里に迷い込んだような風情です。建物の規模はとても大きく、聞けば飛騨の三長者の一人の家とのことで地元白川郷でもこの規模のものは今ではあまり見られないとか。内部には、たくさんの古民具が置かれ当時の生活が体感できるだけでなく、囲炉裏で焚かれている薪の煙のにおいも田舎の風情満点です。また、二階では合掌造りの特徴的な屋根の構造が間近にでき、横浜でこんな体験ができることが何だか不思議です。 三溪園は四季の花も充実しています。一度だけではこの庭園の魅力は語れないようです。何度も訪れてみたい、そんな施設でした。
①旧矢箆原家住宅(合掌造りの古民家)
②三溪記念館ロビーの茶席「望塔亭」
ジュン 40代
(2009/6)
三溪園は、横浜のイメージとは異質の日本庭園だからでしょうか、中華街や山下町、みなとみらいなどと比べると、詳しく知る人はまだ多くはないと思いますが、実際に足を運ぶと良い意味で期待を裏切ってくれるところです。横浜の中心部にありながらとにかく広い、そして京都や鎌倉などから集められた歴史的建造物が17棟も点在しているんです。季節折々の和花も充実、何度行っても飽きることがありません。まさに横浜にあって古都を感じさせてくれるのが、三溪園です。私のお奨めは、その中でも、いまや世界遺産に指定されている白川郷から移築された大きな合掌造りの古民家。いつも内部が公開されていて囲炉裏には火が焚かれ、飛騨地方で使われた古民具が展示され、生活感たっぷりです。また、三溪園ゆかりの美術品などが楽しめる三溪記念館の中にある茶席「望塔亭」では\400で菓子と本格的なお点前付きで茶道体験ができます。どちらもほっと一息つけるスポットです。